心強いシステム

 IPPOの訓練のうち、スーパービジョン(以下SV)などについてお話しいたします。

 まずセラピー開始時について。IPPOでは、セッティングセミナー、アセスメントセミナー・ワークショップなどで、開始時に重要な事柄を学べます。そして訓練ケースについて、アセスメントの1回目からSVを受けることができます。難しくても勉強になるであろうケースや、一見、セラピーを始められそうだが行き詰まりそうなケースなど、初期の段階で訓練ケースとして向いているかどうかを見極めてご助言いただけるのは、とても心強いシステムであると思います。

ハッとしてホッ

 もちろんアセスメントの段階だけでなく、その後のセラピーについても、1回1回、一言一言、丁寧にSVを受けることが出来ます。

 あるケースで、私にとっては思いがけない危機的な状況に陥った時、バイザーにその心理的意味、理解を教えられ「それは予想されていたことでしたよね」と言っていただいたことは今も心に強く残っています。ほっとした私は、落着いて次の面接に臨むことができ、セラピーを継続できたのです。バイザーに支えられているというのは大きな安心感があり、クライエントにとってもたいへん有益な結果をもたらしていると思います。

文献とSVの相互関係

 あるケースのSVを受けていて、文献を読んでいた時に、(これはSVで教えていただいたこととまさしく同じことが書かれている!)と一人で感激したことがありました。あとで考えてみれば、バイザーはその著者から直接の指導を受けられた先生なので自然なことなのですが、ケースとSV、そして文献からの学びが結びつくという経験ができました。

 また別のSVでは、そのケースにぴったりの文献をすらすらと教えてくださるバイザーの該博な知識に驚嘆し、文献を何回繰り返し読めば、ああいうふうに身につけられるのだろう、と不思議に思っています。先生は「凝り性だから」とこともなげにおっしゃるのですが。

 他にもGSVや自分が分析を受けることなど、IPPOの魅力は多々ありますが、それらについてはまたの機会に。