私がIPPOに入ったのは、ちょうど関西に越してきた時だった。

関西のことは何もわからず、IPPOの先生方のこともほとんど知らなかった。

私がIPPOに入った動機は、「『精神分析』を学びたい」という単純なものだった。

今、IPPOに入り、「精神分析」をさまざまな角度から学んでいる。

セッティングワークショップ、グループスーパービジョン、アセスメントセミナー、文献セミナー。

3人の先生方から同時期に受けるスーパービジョン、そして、精神分析的セラピー。

こうした学びの中で、

私は思いがけずこれまで当たり前と思っていたことを疑うようになった。

「無意識」、「中立性」、「解釈」、「転移/逆転移」といった諸概念、

そして、「精神分析」そのものを疑うようになった。

もしかしたらこの遠心力によって、

私は「精神分析」の外に飛び出ることになるかもしれない。

その思いは私の心を不安と期待でいっぱいにした。

しかし、上記したような思いが生まれたのは、

私がIPPOに入り「精神分析」を学んだからに他ならない。

IPPOに入り「精神分析」を学んだこと(「精神分析」を経験したこと)で、

私は以前よりも考えられるようになり、自由になった。

私にとっての精神分析はまだ始まったばかりなのかもしれない。