IPPOで訴えられる悩みや症状

IPPOに面接を求めて来られる方は、何らかの心の苦しみをもっておられます。たとえば、“よくわからないのに気分が落ち込んでしかたがない”“やめようと思うのに手を洗いたくてしかたがない”“人と安心して関わることができない”などなどです。私たちは自分で何とかしようと努力してもどうにもならないことに悩まされ、価値ある人生を苦しみの中で過ごさざるを得ない状況におちいることがあります。そうした悩みや症状は、自分でも気づいていない心のずっと奥にある何かが影響を与え、自由に生きることを妨げていることを精神分析の知見は、明らかにしました。

IPPOではそれにどう対応するのか

IPPOの面接者(セラピスト)は、来談された方に自由にお話ししていただき、その方が自由に生きることを妨げている心の奥にあるものをともに考え理解するよう努めます。それは傾聴するだけとか善意の慰めとは異なるものです。ともにあることは、いわば苦悩の戦火をともにし、一緒に火の粉と戦いながら、時にセラピスト自身もそこに巻き込まれながら、ともに生き延びることに似ているのかもしれません。

精神分析的サイコセラピーでは、セラピストの訓練された感受性や、精神分析の専門的知見を基に、来談された方の苦痛をセラピストが受け止め理解し、苦悩の戦火から生き残り新たな世界に踏み出せるよう援助していきます。

精神分析的サイコセラピーは相互的な協働作業です

そうした援助は、セラピストの側が“してあげる”といったセラピストの一方的な働きかけではなく、来談された方とセラピストとが互いに働きかけ、ともに進んで行く相互的な作業によってなされます。それには、来談された方の意欲や率直さ、自分を見つめていこうとする姿勢などの協力が欠かせません。精神分析的サイコセラピーでは、このような協働作業によって心の成長を促し、自由に生きられるように援助するものです。

【対象年齢16歳~60歳】

IPPO相談室では対象年齢を設けています。61歳になったら苦悩が減るどころか、より深刻になる人もいるのになぜ?と思いますね。
先に申しておきますが、精神分析的サイコセラピーを受けるのに年齢制限はありません。
IPPOでは日本精神分析学会の精神療法医・心理療法士認定につながる訓練を行っているため、学会の認定規定である対象年齢に準じて、16歳から60歳までの方とさせていただいています。
当訓練生においては各自の所属先で、小さなお子様や高齢の方のサイコセラピーを行っている者もいます。相談者の年齢にかかわらず、セラピーは相談者のこころを理解し考えていくものです。