「厳しい人」はどこにいる?

 どんな学校や職場にも「厳しい人」がいるものです。あなたにダメ出ししたり、ディスってきたりする人です。周りにたくさん人がいても自分だけがターゲットにされる場合もあるでしょう。また、どこに行ってもそういう人に当たってしまう人もいるでしょう。

 そのような時に、あなた自身の中に「厳しい人」がいる場合があります。自分のことを責めたり、ディスったりするもう一人の自分ですね。この自分が厳しすぎると、うつ病になることもあります。

 このコラムを読んでいて、初めてそういう自分がいることに気づく人もいるかもしれません。また、そういう自分に気づいているが、自分ではどうにもできないと感じている人もいるでしょう。

「厳しい人」はどこからくる?

 「厳しい人」はなぜ、あなたの心の中にできてくるのでしょうか?このことについて、精神分析には二つの考え方があります。

 一つは、幼いときの父、母、子の三人の関係が心の中に取り込まれて、「厳しい部分」ができてくるというものです。子どもが男の子であれば、母親を独り占めしようとすると、父親に怒られる怖さが取り込まれるということです。

 もう一つは、人は、自分を責めたり攻撃する何かを元々持って生まれてくるというものです。

 どちらの場合も、親、特に母親に実際に愛される体験が、「厳しい自分」をおだやかな、ゆるやかなものにするのに必要になります。これがないと、「厳しい自分」が厳しいままで残ってしまうからです。

「厳しい人」への心理療法

 精神分析的な心理療法では主に二つのことを目指します。

 一つは、厳しい部分の厳しさをやわらげることです。

 もう一つは、厳しい部分が、いろんな判断をしたり決定したりする心の位置にいないようにする。つまり、あなた自身がその位置を占めることができるようにすることです。

 そのためには、セラピストも「厳しい人」じゃない人を探しましょう。セラピストが自分の中の「厳しい人」を緩和されていることが必要になります。それは、セラピスト自身が精神分析的セラピーを受け、しっかりと育てられた体験を持っているということを意味します。

 その意味でも、IPPOのセラピストをおすすめします。